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ほとんどの特許売却は、特許権の譲渡と引き換えに現金を支払うという比較的単純な取引です。多くの場合、この限定された取引範囲は、買い手と売り手の双方にとって最適です。ところが、特許売却の機会を利用して売り手と買い手の双方に幅広い利益をもたらす取引を構築することもできます。ここでは、取引の範囲を拡大するためのいくつかの提案を提供します。
売却する特許に加えて、特許をいくつかライセンスすることを検討してみましょう。売り手企業は、取引の価値を高めるために特許に追加ライセンスを付与することもできます。買い手企業は自社の特許の一部にライセンスを付与することで、販売取引の価格を下げることが可能になります。多くの場合、特許ライセンスの交渉は長くて複雑なものであるため、高い取引コストが発生します。ところが、弊社の経験では、特許売却取引に特許ライセンスを追加することで迅速な交渉が可能になることがあります。買い手と売り手が異なる業界やバリューチェーンの異なる機能で事業を展開している場合、追加のライセンシングによってビジネスへの影響を抑えることができる可能性があり、交渉が特に容易になります。
特許と一緒に製品も販売することを検討してみましょう。弊社が仲介したある取引では、特許の売り手企業は特許の買い手企業に部品を供給している既存のサプライヤーでした。取引の一環として、買い手企業は数年の期間にわたって売り手企業から大量のコンポーネントを購入することにも同意しました。競争の激しい業界だったので、これらの製品の販売は売り手企業に大きな利益をもたらしました。
両企業間で戦略的な協力関係を結ぶことを検討してみましょう。スタートアップ企業は、多くの場合ポートフォリオを強化するために特許を購入する必要がありますが、あまり多くの現金を保有していません。特許の支払いとして会社の株式を提供することもあります。あるいは、取引企業のどちらかが相手方の企業から製造、流通、マーケティング、または販売チャネルを提供してもらうこともできます。特許取引は、より広範な研究開発の関係を構築するためのきっかけとなることもあります。
特許取引のディール・ストラクチャリングを行う際、知的財産の専門家は知的財産権ばかりに目が向きがちです。ところが、ビジネス状況をより多角的に捉えることにより、特許を活用して、はるかに大きな戦略的優位性を構築することが可能になります。これは特許の売り手企業と買い手企業の双方にとってプラスになります。