特許のライセンシングは2つのカテゴリーに分類されます。特許権者が現在の特許権の侵害に対する損害賠償を求める「ムチ型(処罰型)」ライセンシングと、特許権者が特許発明に基づいて新製品を研究開発する意思のあるライセンシーを求める「アメ型(報酬型)」ライセンシングです。
弊社では、後者の「アメ型(報酬型)」ライセンシングに従事しています。
弊社のライセンシングのほとんどは、医療機器および材料科学分野の業界の案件ですが、他の業界でのライセンス案件についても検討します。
弊社のライセンス案件は次の4つの段階を経て行われます。
上記のプロセスは通常2年以上にわたる長期プロジェクトです。
弊社は概して完全成功報酬型でサービスを提供しています。そのため、特許発明が弊社の専門とする分野のものであり、重要なブレークスルーをもたらし成果が得られると確信できるプロジェクトのみを請け負います。
どちらにもそれぞれメリットがあります。特許の専門分野、特許権侵害の有無、特許の数、特許権者の要望によって、最善のアプローチは異なります。特許売却はライセンス供与よりも短期間で行え、リスクも比較的少ないですが、ライセンス供与はより多くの収益をもたらす可能性があります。お客様と相談の上、お客様のポートフォリオに最適なアプローチを選択します。
はい。これは弊社でもよく用いるアプローチです。まず、特許の購入またはライセンス供与に対する市場の関心を探ります。その関心の度合いと特許権者との話し合いに基づき、最適な戦略としてライセンス供与するか、または売却するかのどちらが良いかを選択します。場合によっては、1つか2つの特許のライセンス契約を締結して、それらの特許を後で売却することが最適な戦略であることもあります。
特許ライセンス契約には、独占的ライセンスと非独占的ライセンスがあります。さらに、グローバルな使用を許諾するものと特定の地理的領域での使用に限られるもの、再実施権(サブライセンスを許諾する権利)を含むものと含まないもの、特定分野のみの使用を許諾するライセンスなど、さまざまなオプションがあります。また、ライセンス料の支払い方法にもさまざまな選択肢があり、一括支払(全額支払)、ランニングロイヤルティ(商品ごとまたは数量ごとの金額)、定額支払(例えば、年間ライセンス料)などがあります。
「ムチ型(処罰型)」のライセンシングとは、侵害したとされる企業に対し、現在または過去の特許使用に対する支払いを求めることを指します。その方法としては、侵害したとされる企業に対して書簡を送る、面談を求める、訴訟や行政手続を進めるなどがあります。これらの方法に伴う攻撃性の程度はさまざまですが、いずれも侵害したとされる企業との敵対的な関係を示唆するものです。
「アメ型(報酬型)」のライセンシングとは、将来の特許使用に対してライセンス料を支払うよう企業を説得することを指します。つまり、発明者が特許発明を相手企業の製品において実施することを許諾し、特許権者である発明者に対して相応のライセンス料を支払うよう、相手企業を説得することです。ライセンシーは新製品を販売することで利益を得、ライセンサーはライセンス料を受け取ることで利益を得るため、Win-Winの関係を築くことができます。